玄蕎麦 もち月
JR横浜線 成瀬駅から南へ、ゆるやかな坂をのんびりと。
駅前の喧騒から離れ、住宅街に差し掛かったあたりに、「玄蕎麦 もち月」はあります。
コンクリート打ちっぱなしの外観に、黒い格子がお洒落。
ひっそりと佇んでいるようで、不思議な存在感があります。
右端にある暖簾をくぐった先には、明るい光が差し込む中庭が。大きな竹に白い玉砂利が涼しげです。ドアを開けて、いざ店内へ。
こじんまりとした造りに見えたのですが、店内は広く、ゆったりとした席の配置。大勢でいらっしゃった方向けに、一枚板で作ったテーブルもあります。
今回は、中庭の見えるテーブルに案内していただきました。
中庭のおかげで店内がとても明るくて、まるでテラス席で食事をしているような雰囲気。いかにも「お蕎麦やさん」という感じでないのが好印象です。
雰囲気や会話を楽しみながらお蕎麦も楽しむ女性の方が多そうだなぁ…と思って店主の望月さんに伺ってみると、やはりお客さんの8割は女性だとか。
望月さんは、西東京市のひばりが丘にある「たなか」で7年修行を積まれた後、2002年の12月に「玄蕎麦 もち月」をオープンさせました。若い感性を生かしたお洒落で落ち着いた空間で、おいしいお蕎麦を食べていただきたいという思いが伝わってくるお店です。
何を食べようか迷いに迷って、初夏らしく冷たいお蕎麦を。
「旬のつゆかけ」をいただきました。
真っ白なお皿にお蕎麦が盛られ、えび、アスパラガス、みょうがの天ぷらがお行儀良く盛り付けてあります。青ねぎや鰹節、のりが散らしてあって綺麗。添えられた小皿に辛味大根のおろし、天ぷらの下にはおろし生姜が隠れています。
少し緑がかっているように見えるお蕎麦は、福井県丸岡町で取れた在来種の蕎麦の実を石臼で自家製粉して作られているとのこと。「外一」という、そば粉10に対し小麦粉1の割合で打っているそうです。
細めに切られたお蕎麦はしゃっきりと、でもしっとりとした食感で、口に入れるとふんわりと蕎麦の香りが漂います。上品で食べやすい味わい。
お蕎麦の味にあわせて、つゆはすっきりと、少し甘みのある味付けに。
天ぷらは衣が軽めでサクサクっと歯切れがよくて、お蕎麦との相性もよかったです。
間を見て出していただいたそば湯はさらさらとした味わい。白磁の器がまぶしい。
「こちらが、最近女性の方に人気なんですよ」と望月さんが出してくださったのが、「トマトそば」。
今度は黒い器におそばが盛られていて、自家製トマトソースの赤とルッコラペーストの緑、温泉卵の白が映えます。小皿に盛られているのは何と細切りのチーズ!
イタリアンな香りを醸し出すソースたちに純和風のお蕎麦、果たしてどんな味なのか…??と恐る恐る口に運んでみると、こくのあるトマトソースやルッコラペーストにお蕎麦やつゆのダシの味が負けず、互いを引き立てあっていて、おいしいのです。お蕎麦屋さんに来たはずなのに少し変わったパスタを食べているようで、まるで魔法にかかったみたい。でも箸が黙々と進みます。温泉卵が全体をまろやかにまとめてくれて、アクセントのチーズもおいしい。
これは会話が弾みますね。
つゆかけそばの他にも、荒挽きのそば粉を混ぜ香り高いせいろは定番。ダシを効かせたつゆがおいしい、温かいお蕎麦も種類が豊富です。
このお店のもう一つの名物は、以前とんかつ専門店を開いていた望月さんのお父さんが作る「とんかつ」。お店を出す時はお父さんと一緒にと決めていたそうで、目黒「とんき」の衣を使う薄衣のしっとりしたとんかつはとても人気があるのだとか。
何時間でもおしゃべりしていられそうな、居心地のよい空間。行列ができるのもうなずけますね。もう一度行きたいと思えるお店が、また一つ増えました。
石臼引き自家製粉 玄蕎麦 もち月
〒194-0003 東京都町田市小川2-3-23
TEL:042-799-7033
営業時間:11:30~15:00、17:30~20:00
定休日:月曜日・第三火曜日(月曜祝日の場合は翌日休業日)
メニュー:せいろ550円、旬のつゆかけ950円、青ねぎそば750円など
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